小さいころ私は、梅干しの種の中にある実(仁という名前らしい)を、体にいいと思ってずっと食べていました。梅干しの種類によっては種が非常に硬く、仁が取り出しにくい場合持ったのですが、そのような時にもペンチなんかを使って無理矢理中身を取り出していました。
後に、むしろ梅干しの種の中身は身体に毒ということを知り悲しくなりました(食べ過ぎなければ問題はないらしいけれども)。
水素が高濃度に含まれているなどとして販売されている「水素水」やその生成器の一部の商品で、販売する会社のホームページや商品パッケージで健康効果をうたうものがあり、健康増進法や景品表示法に抵触する恐れがあるとして、国民生活センターが業者に文言の改善を要望したと15日、発表した。
同センターは、販売されている容器入りの水素水10商品と、生成器9商品の計19商品について、表示や広告、実際の商品に含まれる水素濃度を調査。その結果、13商品でホームページなどに水素水に期待されている効能効果に関する記載があり、中には「様々な病気の原因といわれる悪玉活性酸素を無害化する」「アトピーに かゆい部分に水素水をつけて下さい」など、体に効能があると受け取れる表現があるものもあった。
同センターは、事業者に対してこうした表示が景品表示法などに抵触する可能性があるとして表示の改善を求めるとともに、行政に対して業者を指導するよう求めた。また、消費者に対して「水素水にトクホや機能性食品はない」「表示されている水素濃度が必ずしも表示どおりの濃度になるわけではない」ことを改めて強調している。
水素水をめぐっては消費者庁が3月、「がんに効く」などとうたって水素水を販売した業者に対して商品の効能に関する不実告知(実際は認められていないのに告知すること)などを理由に一部業務停止命令を出している。
産経ニュース「「水素水」健康効果なし 国民生活センターが業者に改善求める」より
今回の要望は、いわば「大げさな効能効果を記載しないでくださいね」というもので、水素水の健康効果に対してのあれやこれやではないようです。ですが、バカ売れしている空前の水素水ブームで誇大な宣伝や質の悪い商品が売られているのは事実。まだ本当に身体への健康効果はあるのか、あるのならばどのような効果で、どの程度の効果が期待できるのかがはっきりとわかっていない現状で、このような流れになるのは当然のような気がします。
しかし、この水素水ブームは消費者からの「本当に効いた」という口コミが多いことも出来上がった一つの理由に挙げられると思います。
本来ならば絶対にそれ水素水関係ないだろ、と思うような健康効果が出たという評判もありますが、それを嘘といってしまうのは簡単です。もしかしたらその効果は、プラシーボ効果によるものかもしれません。
ご存知の方も多いとは思いますが、プラシーボ効果とは簡単に言ってしまうと思い込みの力です。偽薬効果ともいわれ、薬理作用のない薬を(それを伝えないまま)患者に処方して、薬を飲んでいるという安心によって症状が緩和されることを呼びます。
このプラシーボ効果なかなか馬鹿にならないもので、1955年にヘンリー・ビーチャーという麻酔医が喘息に苦しむ患者に偽薬を与えたところ、呼吸苦がなくなったという結果が得られたそうです。ですが、その実験でも患者の呼吸は楽になったものの症状そのものの改善は見られませんでした。
もしかするとこのようなプラシーボ効果は、以前記事にも書きましたが呪いとも関係があるのかもしれません。
話題の水素水も、効果が本物だとしてもあるいはプラシーボ効果だとしても、健康になるんならいいんじゃないでしょうかって書こうとしたけどお金もらってる時点で嘘はやっぱりダメだと思います。