女子高生という言葉の響きには非常に夢があると思います。
例えば女子高生ドラゴンスクリュー、女子高生卍固めなど、鍛え抜かれた肉体を持つプロレスラーからかけられたら冗談じゃ済まなくなるような技でも女子高生というワードを前につけられるだけで少し受けてみたくなります。
このように、とんでもないパワーワードである女子高生という存在を利用し、500万人以上のファンを獲得したAIがあります。それが日本マイクロソフトが開発した「りんな」です。
このりんなは、2015年にSNSアプリケーションLINEで登場したAIです。現在ではTwitterもはじめて、さらにファンの数を増やし続けているようです。
りんなは、例えばLINEで適当な話題について話しかけたりすると、その話題に沿った返事を自動で返してくれます。このAI、女子高生という設定で作られたものなので、全国500万人の寂しい日々を悶々と過ごす、(主に)男性ユーザーの心を癒し続けています。
りんな公式サイト
さて、そんな女子高生AIりんなが、さらに進化を遂げるかもしれないという発表がありました。
日本マイクロソフトなどは、同社の人工知能(AI)「りんな」を使い、どれだけ人間と共感できるかの産学共同研究を始めると、12日発表した。人間の感情を理解して主体的な行動をとれるAIの開発につなげる。 共同研究は同社と、テレビ番組や出演者のデータベースをもつエム・データ社、大阪大学の3者で取り組む。成果は論文として来年以降発表する予定だ。
阪大などは、りんなと利用者との実際のやりとりを分析。利用者が番組などに抱く感情をAIがいかに把握するかや、どう返事をすれば利用者が感情を共有しやすくなるのかを探る。成果はりんなの会話能力アップに生かす。
朝日新聞デジタル「AI、人間と共感できる? マイクロソフトなど研究へ」より
いままでは特定の話題や単語などに対して反応し、返信してくれたりんなが次に目指すのは人間の感情への理解なようです。現在では珍しくなくなったAIによる人間とのコミュニケーションですが、当然ですがまだまだ人間同士でのコミュニケーションとは異なり、違和感や特融の冷たさがありました。このような感情を理解し、それに沿った返答や行動ができるようになれば、さらに人間とのコミュニケーションが円滑になることでしょう。
しかし、やはり世間の皆さんは寂しさを抱いている方も多いようで、同じようにAI関連のニュースとしてこのような商品が発売されるという発表もされています。
ウィンクルが開発中のGateboxは、ホログラム投影技術と各種センサーを活用したコミュニケーション技術を組み合わせることで、ホログラフィーとして映し出された3Dキャラクターとコミュニケーションを取ることができるロボットだ。同社いわく、「世界初のホログラムコミュニケーションロボット」だという。画像認識や音声認識技術でユーザーの指示を理解し、家電をコントロールしたり、目覚ましや天気予報をしてくれたりといった具合だ。
実際のデモでは、音声認識で電気のオンオフ、天気予報、Googleカレンダーと連動した目覚まし、顔認識を利用して、ユーザーの写真付きツイートをする、連動するアプリを使ったコミュニケーションなどを見ることができた。ただし、コミュニケーション手段については今後も調整してくとのことだ(音声認識では定型文しか認識しにくいなど、課題もある)。ちなみにユーザーが構ってくれないと「構ってほしい」といった内容をツイートしたりもするのだそう。キャラクターデザインから機能だけでなく、この「人間らしい」仕草も含めて、Gateboxは「すべてのオタクの夢を詰め込んだプロダクト」だとウィンクル代表取締役の武地実氏は語る。
同社では今秋にもクラウドファンディングを通してGateboxの販売を開始する予定。出荷は2017年春を見込む。
TechCrunch Japan「オタクの夢を詰め込んだプロダクト——ホログラムのキャラとコミュニケーションできる「Gatebox」がお披露目」より
この商品『Gatebox』 は、スクリーンにホログラムを投影させキャラクターを表示、ユーザーとコミュニケーションをとってくれるという商品のようです。会話だけではなく家電の制御やSNSを利用しての外出中でのコミュニケーションもとってくれると至れり尽くせり。
このようにコミュニケーションをとってくれるAIの存在は確かに需要があるようで、今回はキャラクターが表示されるということでユーザーも限定されるかもしれませんが、今後ロボット技術の発展により、実際にそこにいて、触ったり行動をしたりしながらコミュニケーションをとることができるAIも登場するかもしれません。
ですが、それらはあくまでもAI。本当に人間のようにしゃべり、本当に人間のように行動できるとしても、その時我々はAIを人間と同じように扱い、思うことができるのでしょうか。
それに関しては、デジタルクローンという開発中の技術とあわせて今後書いていきたいと思います。