不思議カウント

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2016年11月29日火曜日

かつて九州南部の縄文文化を滅ぼしたとされる『鬼界カルデラ』について



福島県沖でマグニチュード7.4の地震が起きて、今日でちょうど一週間になります。私の住処が震度3くらいの揺れを感じる場所にあり、明け方に久々に耳に響く緊急地震速報の音で心底驚かされたのが記憶に新しいです。

それ以前にも10月21日には鳥取での震度6弱の地震、さらにそれ以前では今年4月に起きた熊本での大地震など、2011年3月11日の東日本大震災の傷跡がまだ癒えぬ現在でも地震という災害の恐怖からは逃れられません。


そんな中、このようなニュースが注目を集めています。

神戸大学海洋底探査センター(神戸市東灘区)は18日、九州南方の海底に広がるくぼみ「鬼界(きかい)カルデラ」を調べた結果、熱くて濁った水が海底から湧き出る「熱水プルーム」を5カ所で確認した、と発表した。海底からの高さは最大約100メートルに上る。現時点では噴火予測はできないが、カルデラ直下のマグマが活動的であることを示しているという。
 同センター長の巽好幸教授(マグマ学)のチームは10月13~27日、大学保有の練習船「深江丸」を使い、鹿児島県の薩摩半島南約50キロに位置する鬼界カルデラ(直径約20キロ)内で、ドーム状に盛り上がっている場所などを調べた。
 音響測深装置で、水深約200~300メートルの海底に向けて船から音波を出し、反射波を観測。少なくとも5カ所で、海底からの高さ数十メートル~100メートル程度の熱水プルームを見つけた。
 チームは地震計5台、電位差計2台を海底に設置。来年3月に行う調査で回収するまで、鬼界カルデラの地震活動などを観測する。巽教授は「熱水プルームがあるということは、地下にマグマがあるということ。数年間調査を続け、マグマの規模や場所を明らかにしたい」と話した。
 鬼界カルデラは約7300年前に噴火を起こし、九州南部の縄文文化を滅ぼしたとされる。巽教授によると、こうした超巨大噴火は日本では過去12万年で10回発生。実際に起これば国内で死者が最悪約1億人と想定している。

要約すると、鹿児島県の南に位置する『鬼界カルデラ』 に、マグマが原因とみられるドーム状のふくらみが出来ているというニュースです。

このニュースでどうしても気になってしまうのは、7300年前に九州南部の縄文文化を滅ぼしたという記録と、現在でも超巨大噴火を起こせば最悪1億人もの死者が出るという衝撃的な数字です。

この鬼界カルデラは直径20kmもの噴火口を持つ海底火山で、九州南部の縄文文化を滅ぼした際の大噴火は、過去一万年間でこの国最大の噴火災害を起こした火山でもあります。また、その噴火の際には火山灰が関東でも数十cm積り、大津波も発生したことが確認されています。

予測される最悪の死者数1億人という数字も、鬼界カルデラ単体の噴火での被害予想ではなくさまざまな二次災害や他のカルデラでの被害を交えてのものだと思われます。まあそれでも恐ろしいことには変わりありませんが。

さて、このような非常に危険な鬼界カルデラですが、気になるのは近いうちに噴火の可能性はあるのかということです。それについてNHKの火山噴火予知連絡会で会長を務められている藤井 敏嗣さんのコラム「カルデラ噴火! 生き延びるすべはあるか?」でこのように書かれていました。

わが国では、100立方km以上のマグマを放出するカルデラ噴火は、1万年に1回程度発生しています。数10立方km以上の噴火ならば12万年間に18回、つまり6千年に1回程度は「起こっている」ことになります。もちろん、これは平均発生頻度で、前のカルデラ噴火から2,000年のうちに起こったものもあれば、1万数千年以上の後に起こったものもあり、このような規模の噴火で、最後に起こったものが先の鬼界カルデラ噴火なのです。
ところが、これまで平均6,000年間隔で起こっていたカルデラ噴火が、最近7,300年間は発生していません。カルデラ噴火はもはや、いつ起こっても不思議がない現象なのです。

日本には鬼界カルデラ以外にも多くのカルデラが存在します。その中で一番近いのが鬼界カルデラとのことです。そして、それから7300年間もの時間カルデラ噴火が起こっていないので、いつ起こっても不思議はないとのことです。

まあ文明ひとつ滅ぼすくらいの大きな災害の場合、事前の用意も何もないような気もしないでもないですが、やはり防災グッズのひとつやふたつはあるに越したことはありません。というより、最近はカルデラだけではなく地震活動が活発になっている状態です。いざというときはすぐに動けるような準備はしておきたいものですね。

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