ゾンビと聞くとどうしてもチェーンソーやらショットガンやらを頭に思い浮かべてしまう人も多いと思いますが、この紹介されているゾンビ病はシリアスな熱帯病のお話です。
ゾンビ病は正確にはリーシュマニア症という感染症で、イラクやアフガニスタンといった中東地域に渡った方が通称「ゾンビウイルス」に感染してしまい、帰国後に発症してしまうというケースが多くなってきているとSputnikで紹介されています。
ゾンビウイルスという名称は正確なものではなく、感染し発症してしまうと患部が腐ってしまうことからこの名で呼ばれているそうです。
Sputnik 【「ゾンビ病」が米国に浸透、学者が声明】より
リーシュマニア症のウイルス感染例が数件、米国で確認されている。これは、身体を生きたまま文字通り腐らせ、バラバラにする病気だ。このため、病気は俗に「ゾンビウイルス」と呼ばれている。
しかしよくよく調べてみるとこのリーシュマニア症、ウイルス性の感染症ではなく寄生虫による感染症のようで。
寄生原虫の一種のリーシュマニアが非常に小さなサシチョウバエ類に媒介されて感染する寄生虫症です。熱帯・亜熱帯・南ヨーロッパなど90カ国以上の地方で広く見られます。約1200万人の感染者がおり、毎年100〜200万人が新たに感染していると推定されています。
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人間に感染する原因となるサシチョウバエはアジア、中東、アフリカ、南ヨーロッパなどに生息しており、広い範囲で感染のリスクがあると紹介されています。症状が現れても治療方法はありますが、最悪の場合死に至る可能性もあるとされている恐ろしい病気です。
海外での感染症といえば、近い記憶にあるのがデング熱です。致死率は高くないとしても、妊婦さんが感染した場合、胎児に大きな影響があるデング熱は、2014年に日本で感染例が発見されて大きな話題になりました。その時、ちょうどリオオリンピック開催間近だったということで危険性が叫ばれてもいましたよね。
とにかく、リーシュマニア症は感染することで映画やドラマなんかに出てくるゾンビになってしまうなどという感染症ではありませんが、命を失ってしまう可能性もある十分に危険な病気です。他にも危険な感染症は多くありますので、みなさんも海外旅行は必要以上の注意と準備をなさってくださいね。